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サマーフォーラム メッセージ…上甲 晃「日本この手で何とかする」提唱者
皆さん、こんばんは。ご紹介いただきました上甲でございます。よろしくお願いします。
私は松下政経塾で14年間政治家を中心に次代のリーダーを育てる仕事をしてまいりました。松下政経塾からは70名の政治家が生まれました。国会議員も30名おります。あるいはこの場にいる山田・中田両氏を含めて首長の数も随分増えてまいりました。4、5年前までは、これだけの実績ができたのだから、あの世へ逝ったら松下幸之助に褒められるなとずっと思っておったんですね。「松下政経塾を創って本当に政治家なんか育つかなと心配したけども、70名も出たか。君、ようやってくれたな」って、きっとボーナスすごいもらえると思っておりました。
だけど最近ちょっと変わってきまして、このまま行くとあの世へ逝って松下幸之助に叱られるんじゃないかなと思い始めたのです。「君、数やないで。70名も政治家が出たのに、日本の政治何も変わらんやないか。それどころか、ますます悪くなっとる」と、こう言われるような気がしてきて、非常に危機感が出てきたのです。
まさに今、政治家有志が大同団結して日本のために立ち上がる、そのために松下政経塾がつくられたのじゃないかなという、そういう思いが高じてきて、私は松下政経塾出身の政治家有志に大同団結して立ち上がろうということを呼びかけてまいりました。
一方では、国民の側も立ち上がろうと、 3月15日、箱根で“日本 この手で何とかする”運動を旗揚げするための会議を開催しました。それはもはや政治家は当てにできない。だったらこのわれわれ国民の手で政治を変えてみせようということで、皆さん方にお呼びかけをいたしました。
少し余談になりますが、こういう時、「政治家はもはや当てにできない」という言葉を聞いて、「そうですね」と了解する政治家と、カチンと来る政治家がおるわけです。カチンと来る人はやっぱり脈があるんです。「何を言ってるんだ。我々はやるよ」と、こういうふうに言うタイプは、だいたい今日ここに来ているようなタイプの政治家です。こういう言葉に対してある種、「何をおっしゃるんですか」というようなかたちで反論するような人でないと、改革は期待できないわけであります。
箱根会議には、550人の方々が集まっていただきました。箱根の山の中に全国各地からこのように多くの人に集まっていただいたことは、私にとってたいへんな励みであると同時に、大きな希望でありました。
その時に出席した政治家諸氏に対して、私達は一つのボールを投げました。日本をなんとかしよう、また日本を何とかする立派な政治をやりたいという私たちの思いを、政治家のほうでしっかりと受け止めてくれる人がいないと、われわれの投げたボールは転々と転がってしまうわけです。今日は政治家諸氏が、そのボールを投げ返してくれるという約束の下に、この会合が始まりました。ですから私もたいへんに期待をしております。
と同時に、今日は1500人の皆さんが集まっていただいているというのです。素晴らしいことです。箱根会議に500人、日比谷はたった50人だったら、せっかく政治家から返ってきたボールが転々とこのへんに転がってしまいます。そのボールをしっかり受け止めようと、1500人の方々が集まっていただいているというのは、これまたたいへん大きな希望ではないかと思っております。
私が日本の政治はこのままではダメだと思った最大の理由は、日本の政治には方針、理念、希望、あるいは先々に対する夢もビジョンも何もないということです。その日暮らしの政治です。だから日本人が一番強く感じているのは、現状に対する不満ではないと思います。将来に対する不安です。こんな船に乗っていて大丈夫かな。要するに国に目標がないのですから、国民が不安になるのは当然です。
私どもが海外に行って、外国人から「日本はどういう国づくりを目指しているのですか」と聞かれたら、日本人は誰も答えられません。 どうしてか。それは国に方針がないからです。個々の利益ばかりを見て、そして次の選挙のことばかり考えているような政治家では、日本の国がどういう方向に向かうかなんていうのは誰も示せないわけです。
私がなぜこの運動を立ち上げるのだという時に、第一の問題点は、やっぱり日本の国に方針も、あるいは理念も、あるいは哲学も、あるいは長期的な目標も、何もないということです。その日暮らしの政治にどこかで誰かが、ノーであるという運動を旗揚げしないと、やがて日本は沈没してしまう、それが私の一番の問題意識であります。
日本では総理大臣を選ぶ時に、この国の運営をするのには誰が一番相応しいかなんて誰も考えていないのです。選挙の顔として、誰が一番有効かが、総理大臣を選ぶ基準なのです。そして選挙の顔として使えなくなったら使い捨てて、もう少し選挙に使える新しい人がいないかというふうな選び方をしている。これでは、絶対いい国はできない。
その意味においても、やはり新しい政治の流れを私たちの手で起こしていくという、そういう運動がなければ日本は救われないのじゃないかというのが、この運動を提起した私の一番の思いであります。
7月の1日から8日まで中国へ行ってまいりました。中国を見続けておかないと、日本人は生き残れないという思いで、9年前から毎年、中国へ行くということでやってまいりました。最初にやり始めたころは、「中国も随分元気になったな。しかし日本と比べると、まだまだだ」と、日本人は余裕をもって見ていました。しかし今年行ったら、日本は中国にはちょっと敵わんなと思い始めたんです。 そんなふうに変化した理由は、はっきりしています。
これを船にたとえたら、中国丸は明確な方針を持っているわけです。国家としての明確な方針を持ち、その方針の実現に向かって驀進しているのです。その隣で動いている日本丸という船は、方針も方向も何も定まらないままに、そのへんをぐるぐる、ぐるぐる、要するに漂ってるだけなのです。だからやがて中国丸の煽りを受けてひっくり返るか、あるいは波に呑み込まれていくというのは当然です。まさに日本の正念場ではないかなということを実感いたしました。
今日は、これから三人の政治家有志によって、われわれの投げたボールに対する答えを返していただけます。私は固唾を呑んでその答えを見守りたいと思っています。そしてほんとうの意味で日本の救いとなるような、そういう政治家を私たち国民が万全の力を以って支援をしていきたいと、こういう思いを持っております。
今一番必要なのは志ある政治家と共に、志のある国民です。われわれの合言葉は、「私のことはいいから、日本全体のことを考えろ」、そんなふうに言える有権者が一人でも増えてまいりますと、政治家は自ずと力強い政治ができるんじゃないかと、こういうふうに思っている次第であります。
箱根会議にお集まりいただいた方が500人、そして今日1500人ですから、もう3倍です。この勢いで行ったら先々どうなるかと思うぐらい、非常に幸先いいわけであります。とは言え、日本の全体の人口から見れば極わずかだということもあります。しかし私はこう思うのです。このホールが真っ暗になったら、たった1本のローソク、たった一つのたとえば携帯電話の弱い明りでも、大変な力になるのです。まさに私は今、私たち一人ひとりが本当にたった1本であってもいい。暗夜を照らす1本として、まず私たちが志を持って、しっかりと日本の進路を見て、そして志ある政治家を育てていこう、あるいは支援していこうということを、是非誓い合いたいと思っております。
以上私の決意としたいと思います。どうもありがとうございました。














